Hiromi Yoshimura

吉村 浩美

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 漆を素材にした脱乾漆技法と言う日本の古代仏像造像技法を中心にレリーフや木彫も制作しています。

漆は自然素材であり、信仰の対象である仏像に使われた素材でもあります。漆の質感の暖かさもあり、自然の霊的なものや人の内面を表現するのに適していると感じています。

また、脱乾漆と言う技法は中が空洞になるため、軽量である上、強度もあり、造形面でも優れた素材であることから漆を選んで創作しています。

日々の生活の中で、自然の呼吸や、自分自身も周りの人たちの内側も、つい見落としがちです。

忙しない日常の流れを少し止めて、歩調を緩めて自分を俯瞰したり、自然の一瞬の煌めきを見つめたり、命の小さな動きや音に心を傾けたりすると、かけがえのない今という時間や、生きている命の存在に改めて気づくことがあります。そういった見過ごしてしまったかもしれない命の煌めき、気づけなかった自然の音や動きを拾い上げて作品にしたいと思っています。

 自然とともに生きる中には、その驚異に翻弄されることもあります。自然の恵みは普段は優しいですが、いざ猛威を振るうと人は何も出来ず、無事を祈りつつ経過を待つしかありません。そのような中でも淡々と生きる動物や鳥等の姿や動き表情に人間の感情を重ねて感じ、モチーフにすることが多くなりました。